読書背景
自分で選んだわけではなく、とあるサービスで選ばれた本です。
匿名であることが大事なので、何のサービスかは非公開で。
そのようなわけで、自分で選んだわけではなく、三浦しをんさんの本を読んだのはおそらく初めて。
三浦しをんさん、好きだなと思ったのでエッセイを買ってきました。(まだ読んでない)
作品紹介
恋愛にまつわる、11編の短編が収録された短編集。
最初と最後の作品に限り同じ世界観。
全く違う世界の短編というのは、ポーンと世界に放り込まれる感じで楽しかったです。
文章が美しく、読んでいて気持ちがよかった。
残酷さを愛するのを信条としている。だからたまに、無神経を装って残酷にふるまいたくなる。
永遠に完成しない二通の手紙より
決して難しい言葉を使っているわけではないのにずるい
今回本の帯には、「最強の恋愛小説集」と書かれていました。
恋はキラキラ?
物事に裏表があるように、恋愛もいいこともあれば悪いこともある。
この作品は一言ではいえば、恋愛の苦味を書いている作品。
すごく暗くもなく、浮かれすぎているのでもなく。
実際の恋愛にあるような幸せや辛さが見える作品たち。
好きなところ
普段、恋愛小説をあまり読みません。
私個人のことを言えば、「恋愛は苦手だな~したくないな~」と思っている。
恋愛のときめきの擬似体験をするなら漫画かゲームとかが視覚的で好きなんですよね。
この本はときめき成分を注入する本ではない。
そこが好き。
中村うさぎさんの解説が私の言いたいことを言語化してくれました。
解説までしっかりと味わいました。
好きな作品は選べない
どの作品も刺さる作品ばかり。
中でも、インパクトが強いのが「永遠に完成しない二通の手紙」「永遠につづく手紙の最初の一文」でした。
同性愛の作品。
(↓誤解を招きそうなのであまり良い表現ではないのだけど、語彙力が足りない)
切ないBLみたいのようでもあり、この作品のような現実の切ない感情はきっとあるわけで。
胸がぎゅっとなるのはこの作品でした。
そのほかいくつかの作品の感想を。
「夜にあふれるもの」
話に直接関係ないですが、描写されていたキリスト教の学校が私の通っていた学校みたいで懐かしいです。
疾走感もあって好きでした。
「骨片」
「骨」にまつわる話。
しん、とした雰囲気で影があるなと思いました。
冬の寒さみたいな感じが読んでいて心地よかった。
「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」
あまり明るさがない作品が続いていた中で、この作品たちはそれぞれの目に見える幸せがあるのが素敵。
「冬の一等星」
映画のように、情景が目に浮かびました。
登場人物に何があったのか想像が止まりませんでした。
どんな人におすすめ?
- 恋愛にあまり興味がない人
- 定番の恋愛小説以外を読みたい方
- 恋愛の苦味を感じたい方
妄想の羽を広げてみたら、この本を好きな人から渡されたらなんかロマンチック。
(ただし、好きじゃない人だったらちょっと怖いけど)
それぞれの人物に忘れられない人がいる。
苦しくて忘れられない人だと相手に言われているように思えるから。
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