カレーの時間 寺地はるな/思い出の味で思いが蘇る

読書記録

これを読んでいる最中にカレーを食べたくなり、余韻でカレーを毎日食べました。

国民食になっているカレーが側にいる物語。

作品紹介

様々な事情から祖父と一緒に暮らすことになった桐矢。

少しずつ打ち解けていく二人。

祖父の抱えていた秘密とは。

読みやすさ

ストーリー:★★★★★

構成:★★★★

登場人物:★★★★★

トータル:★★★★★

桐矢と祖父は真逆な人で2人とも個性的。

桐矢は衛生面、正義感な面で潔癖な面が強く、祖父は乱暴(悪く言えば老害と言われる振る舞いをするタイプ)

祖父の回想と桐矢目線での今、それぞれ視点が交差します。

この構成が感動を後半も持ってきてくれるなと思います。

感想

祖父の存在感が非常に強い。

祖父・義景という人物はステレオタイプな日本人のおじいさんという印象を持ちました。

今のダイバーシティとか言われるようになってきた世界や日本のことが本当にシンプルにわからないんだなと。

逆に、私は桐矢目線の現在の日本のことはわかるけど、祖父目線の戦後日本のことはわからないので視野が広がった感じ。

価値観が違うというのはこういうことなのかしら。

桐矢のパートのフワッとした優しさが好き。

私自身の価値観と桐矢の価値観は近くて、桐矢が他の人にわかってもらえないみたいなことも理解できました。

桐矢の正義感や受け入れる優しさみたいなのが祖父とのよい対比になっているし、

清涼剤のようにも思います。

この本のことを考えていると、お腹が空いてしまいます。

そしてカレーを探してしまいます。

カレーを食べるたびに思い出すことになりそう。

ご馳走様でした。

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