放課後の音符 山田詠美/思春期の瑞々しい輝き

読書記録

おすすめレベル

青春:★★★★

透明感:★★★★

サクサク:★★★★★

あらすじ

女子高校生の「私」視点で綴られる8つの短編集。

特に後半の話が良かった。Red Zone、Salt and Pepaの話にはなんだかドキドキしてしまった。

グッとくる。

感想

高校生くらいの記憶があまりないのですが、引き戻される感覚。

私の高校生時代はこの主人公とも違うようで似ているところもある。

他の人が読んでも一緒だなとか、理想だったなとか、追体験できるように思えます。

高校生の感性を書ける山田詠美先生の凄さが生きるなと。

同じと異なるところ

私は女子校だったので周囲に男性がおらず、恋についての感覚が他人事でした。

だからこそ、恋に対するなんとなくの焦りはよくわかる。

芸能人に対してもキャーキャーしてなかった。

漫画が好きだったので、隠れて推しについて考えてました。

彼氏ができると噂になってたな。

高校という組織においてはなんであんなに多様性を尊重できないんでしょう。

今の高校生で、「みんなと同じ」が辛いならこの作品の傍観者(主人公)や友達の姿を見ると少しポジティブになれるかも

他人の行動に過敏になってしまう年頃とそれだけ時間があること。貴重な時間です。

懐かしさ

この作品が書かれた時のトレンドの言葉や喫煙、飲酒など、「男/女だから~」という言葉、少し変化しているところには古めかしさを感じました。

当時の読み手がどう思ったのかは気になりますが、この作品が描かれた1989年ごろの大人は今よりもカッコ付けたかったのかもしれません。

今私が大人サイドだからそう思うかもしれませんね。

私はカッコつけている大人よりも伸び伸びしたいから、そもそも価値観も変わったのかも。

時代とともに価値観が変わっても変わらないもの、背伸びしたくなる気持ちや傷つきやすさ。

丁寧に書かれていて、高校生やせめて10代のうちに読みたかった本。

コメント

タイトルとURLをコピーしました