おすすめレベル
没入感:★★★★
美術に対する興味が湧く度:★★★★
サクサク度:★★★★
あらすじ
主人公の高遠冴は、パリで小さなオークション会社に勤務している。
ある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれ、フィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。
真実を探るために冴は、ゴッホとゴーギャンの関係の調査を始める。
そして、誰も知らない歴史上の真実を掘り当てる。
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どんな人におすすめ?
- 美術が好きな人
- ゴッホやゴーギャンが好きな人
- 美術について詳しくはなくても、興味関心がある人
私は3番目のタイプです。
感想
原田マハさんの本は初めて読みます。
ゴッホ展に行く予定があり、ゴッホに対する知識をつけたいと思い読み始めました。
小学生くらいの頃にゴッホ展に行った記憶がありますがあまり覚えていません。
唯一覚えていたのは、自分で耳を切ったこと、その背景になった出来事については全く知らないのでした。
小学生の私にも「耳切り事件」は大変インパクトが強いのでした。
お恥ずかしながら、ゴーギャンについても認識していなかったレベルです。
当初の目的のゴッホに対する知識をつけるという点で、この本は非常に有意義のある本でした。
あらすじにあるように、冴はゴッホの生い立ちを丁寧になぞって行きます。
その過程で私はゴッホについて学ぶことができました。
読み終わったあとは、ゴッホとゴーギャンの絵がどうしても見たくなり、絵画全集を一気に見ました。
鑑賞というよりは、もっと知りたい、そんな気持ちでした。
肝心の本編についてもとても素敵な作品でした。
冴、そして筆者の原田マハさんのゴッホに対する気持ちが強く伝わって来ます。
冴のフィルターを通して、私にもゴッホとゴーギャンがそこに生きているように思えました。
遠い存在ではなく、人間としての葛藤を持ちながら描いたのだと。
ラストまでの流れも非常に綺麗で、後味も気持ちがよくなりました。
今、このタイミングで読めてよかったです。
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