流浪の月 凪良ゆう/事実と真実は違うことを突きつけられた

読書記録

普段、あまり暗い本は読まない。

なぜなら自分のテンションが引っ張られるから。

やはりこの本を読んでいる間はちょっと変だった。

2人の幸せを願い、自分を見つめていた。

それは今も続いている。

この本は暗い本なのか。

テーマとしては確実に「重い」のだけど、希望がある本。

作品紹介

表面的には誘拐事件の被害者・更紗と犯人・文。

2人は15年の時を経て別々に暮らしていた。

更紗は「傷物にされた可哀想な女の子」、文は「ロリコンで凶悪な誘拐犯」と解釈されていた。

ある日、更紗は偶然文と再会する。

家族でもなく、恋人でもない居場所を見つけるための作品。

本屋大賞受賞作

凪良先生の本を読むのは初めて。

色々購入しているのだけど、初めてはこの本にしたかったのです。

映画も公開されるし、偶然サイン本も購入できたので「今だ」と思って読みました。

読み始めてからも、読んでいる最中もドキドキしている。

読んだ後は余韻が広がって残っています(読み終わって1日経過で書いてます)

マイルール破りな本

通常、初めて読むことを大事にしているつもりです。

結末など忘れてしまうことはあるかもしれないけど再読すると思い出したりするので、

できるだけネタバレしないようにしながら読むようにしていました。

本を読める時間が限られており、先が気になるというかもはや不安な状態で読めないみたいなことがありました。

飛ばし飛ばしで、自分のルールを全く無視して先を読んでしまいました。

それでちょっと安心するわけです。

完全に世界観に飲まれている。

モチーフはタイトルの月と表紙のアイスクリーム

読了後に表紙の見方が180度変わった。

表紙は可愛い系だと思ったけど違うんだ。

アイスクリームを食べるたびに、流浪の月を思い出すよ。

結構象徴的だと思うんだけど、どなたか論文書いてくれないかしら。

向き不向きはある

私にはすごく大事な出会いとなった本ですが、この本が合わない方もいるんだろうなと思います。

みんながどう思ったかを知りたくて感想をググると、

ストーリー運びや、登場人物は重厚なバックグラウンドゆえに意見の相違がありそう。

私個人としては、作者の言いたかった方法を伝える最適な流れはこれだったのだ、と思っています。

凪良先生の本をこれしか読んだことがない私には、

非常に参考になる視点を提示してくれた解説もよかった。

更紗について「好きじゃない、伝えることを諦めるのが良くない」と感想で見たのだけど、

そうなってしまうほどの傷があるんだろうなと思う。

私には更紗の気持ちがちょっとわかるんですよね。

平凡である私

大体のことが平均点、そこに救われていることも事実だけど、

自分が他人に向ける優しさが怖い。

この作品にあるような事実と真実が違うことを自分で勝手に解釈してしまっていないか。

ダイバーシティなどいうものの、そこから外れた人に対しては何もできていない。

本当は「普通に外れてしまった人」に何かしたくて、社会人になったんだけどな。

そうでした、反省してます。

とりあえず読んでみてほしい

この本を読むことがネガティブになる(時間の無駄)にならない、

新しい視点をができるのではないかなと思ってます。

映画も見に行きたい

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