おすすめレベル
サクサク度:★★★★
前向き度:★★★★★
ほっこり度:★★★★
あらすじ
九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。なぜなら今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、悩みを抱えた人がやってくるのだから……。コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。
https://www.shinchosha.co.jp/book/180196/
新潮文庫の100冊対象だったので購入
普段読まない作者さんの本も読めるので、やっぱり夏のフェアは楽しいですね
感想
町田先生の作品は初めて読みました。とっても読みやすい本でした。
あらすじにあるように、舞台となるのはテンダネスというコンビニ。
コンビニは身近で毎日目にしています。買い物以外のこともすることがありますし、もはや社会インフラの側面がありますよね。
この本でも一階がコンビニで2階からはマンションという建物でお年寄りの方の生存確認的な側面の記載がありました。
連作短編集なので、主役となる人は様々ですが、皆さん根が優しいんですよね。
葛藤しながらの優しさと「コンビニ兄弟」の2人の真っ直ぐな優しさが気持ちがいい。
会社の出勤、退勤の電車の中で読んでいましたが、うるうるしてしまう場面も。
仕事頑張るかと思わせてくれるようなラストでした。
第三話(メランコリックないちごパフェ)に高校生が主役の話がありましたが、それが一番ドキドキでした。
高校生の頃は学校がほぼ生活の全てになってもおかしくないところ、テンダネスのような外の世界があってよかった。
もう一話、印象的だったのが第四話(偏屈じじいのやわらかたまご雑炊)。
自分の父や祖父を見ている気分でした。どうなるのかハラハラしましたね。
コンビニだけに留まらず、お店には気持ちの良い接客をしてくださる方がいますよね。
マニュアルではなく自分で考えて、自分のポリシーで動く。
そういう方が素敵だなと強く感じます。私は接客業ではないですが、そのようになりたいものです。
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