おすすめレベル
読み応え:★★★★
ワクワク:★★★
読みやすさ:★
あらすじ
自殺した共同経営者のために、22歳のコーデリアは1人で探偵事務所を続けることを決意。
最初の依頼は、大学を中退し、自ら命を絶った青年(マーク)の自殺の理由の調査。
さまざな方法を使いながら調査をするコーデリア。
次第に1つの事実が浮かび上がってくる。
ハヤカワ文庫の100冊に選ばれており、表紙に惹かれて購入。
表紙はリニューアルされた物だそう。
文体はやっぱり読みにくい
まず読み始めて思ったのは「the翻訳物、読みにくい」ということ。
英語を直訳したような書き方になっているので、日本語で理解するときに時間のかかってしまいました。
慣れるかなと思いましたが、多少慣れたところで読了となりました。
翻訳物が敬遠されやすいのはこういう文体だからなんだろうなぁ。
私は日本の作品ばかり読むので、特に最初のびっくり感が強かったです。
1975年に翻訳された文章ですから、これはこれで魅力はあるものの若い読み手にはとっつきにくいのは否めません。
翻訳変えたらもっと若い人受けしそう。
重厚なストーリー
文章が読みにくいので途中で放置してしまうかと思ったのですが、時間をかけて味わいました。
同じくらいの厚さの場合、大体一冊読むのに3、4日くらいかけているのですが1週間かかってしまいました。
読み切らせる力のある本だなと、これが作者・翻訳者の実力ということなのでしょうか。
派手なアクションがあるわけでもなく、じっくりとコーデリアの調査内容や見たものを描いています。
コーデリアの目線に立ち私も調査している気持ちに。
最初の方は文章の問題もあり、時間がかかっていましたが後半にかけてストーリーが加速すると最後は一気に読み切りました。
最後については正直、想定してなかった着地。
その理由については、解説まで読んで納得でした。
時代
この作品に出てくるイギリスの文化にびっくり。
当たり前ですがインターネットもないし、調査する人物であるマークの家にはお風呂もない。
現代での当たり前がない時代で、昔のイギリス文化にも触れた感じで新鮮でした。
思慮深いコーデリア
コーデリアの真面目さと意思の強さが随所に感じます。
22歳の大人になりきれているわけではなく、自分の信頼していた人を亡くしたショックも受け入れ、自分で考え行動する。
こうしてコーデリアのことを思い返すと、コーデリアの魅力が私がこの作品を読み切れたポイントなのかと思いました。
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