おすすめレベル
グロさ:★★★★
繊細さ:★★★★
サクサク度:★★★
あらすじ
連続殺人犯の日記帳を拾った森野夜は、未発見の死体を見物に行こうと「僕」を誘う……人間の残酷な面を覗きたがる者〈GOTH〉を描き本格ミステリ大賞に輝いた乙一の出世作。「夜」を巡る短篇3作を収録。
https://www.kadokawa.co.jp/product/200503000425/
今回紹介する本は、三冊のGOTHシリーズになります。
私は普通にバラで買いましたが、三冊でお得なバージョンも電子は出ているよう。
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感想
読むのは15年ぶりとかな気がします。漫画も読みましたし、私の価値観を作る一つの要素になったのは間違い無いです。
そういえば、私はグロいのは苦手ですが、なぜ犯罪をする人(シリアルキラー)がいるか気になっておりその関心のもとはきっとこの本でした。
(今は心の体力的に難しいのであまり見ませんが、昔は海外ドラマのクリミナル・マインドを見てました。)
当時は怖いと思いながらも、他人の今よりも痛みに対して鈍感だったのでしょう。
当時の私は、割とすんなりこの本に描かれるグロテスクな描写を受け入れていました。
今回は正直、読むのが辛い話が多かった。
にもかかわらず、読み止めることもなく一気に読んでしまったのは、この本のグロい以外にある文章の繊細さなのかなと。
夜の章(一冊目)の方についている後書きにこの本について「作者の心の中ではおとぎ話のようなものでした」と書かれており、現実のグロい話という本ではないのだと言及されていました。
僕の章以降では「日本で起こっていること」とか「子ども」がなどのキーワードだともっと辛いのですが、【ダークファンタジー】として自分と切り離すことができたのが救いでした。
最初に読んだからでしょう。話を大体覚えていたのが「暗黒系 Goth」
「犬 Dog」にはまた騙された。
「声 Voice」について、前回読んだ際に解釈を間違えていたのだと10年以上越しに気がつきました。
それだけでも読んでよかった。
「番外編 森野は記念写真を撮りに行くの巻」(番外編)については、この流れで読んでくると毒気がない話でした。私にはこのくらいで十分ですが。
文庫本にあるように、おそらく作者のトラウマが影響していてライトな仕上がりになっているのかなと。
(Kindleのかいじゅうタイムズに記載されていた件かな、時系列見ないとわからないですが)
再読してみて、ヒロイン役の森野夜についてが魅力的だと感じます。
「こういうミステリアスなのかっこいい」と中二病ながら憧れたものでした。
そんな森野夜についての描写について繊細で美しく、筆者らしくそれがこの本の魅力の1つだと。
でも、はじめて乙一さんを読まれる方は面くらいそうなので、別作品をおすすめます。
グロ耐性ある程度ある方、たとえばクリミナル・マインドがお好きな方とかは読んでも平気そうです。
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