自分を縛っていたたくさんのことがあると大人になって感じます。
世間でも自分をがんじがらめにしている常識から抜け出そうと言うムードが高まっています。
そんな時代にふさわしい本です。
この本で挙げられているような常識は、
5、10年したらきっと風化するものもあるんだろうなと思います。
今読んで欲しいなと思う本です。
作品紹介
様々な境遇にいる人物たちの噛み合わなさを描く7つの短編集。
Butterなどで有名な柚木先生の初の独立短編集とのこと。
初読みの作家さんです。
読みやすさ
ストーリー:★★★★
構成:★★★★★
登場人物:★★★★
トータル:★★★★
作品によって印象がかなり違うのであくまで参考かなという感じですが。
テーマの根底にはジェンダーがあると思いますが、明るいテンションで描かれるので肩の力を抜いて読めます。
感想
まずは表紙がかわいい、童話のような作品です。
童話は実は怖いものもあるのでそれも意識してこの表紙なのかな。気になりますね。
現代に舞台にしているものが多いですが、最後の作品は舞台が、1931年の昭和初期。
その時代に「大塚女子アパートメント」と言う女性専用のマンションがあったんだそう。
1階にかカフェがあったようで、自由に安心して暮らしていた場所と書かれていました。
すごく素敵な場所だなと思いました。私も住みたい。
好きなのは最初の話と最後のお話です。読後が爽やかなんです。
両作には菊池寛が登場します。
お恥ずかしながら菊池寛のことは全く知らないのですが、菊池寛が気になっています。
すでに述べた通り、ジェンダーへのメッセージがしっかりあります。
作品として楽しめつつも、しっかりとあるメッセージの出し方はあまりジェンダーを考えたことのない人にもいいなと思いました。
風刺されている側の男性が見たらどう思うのかが気になるところ。
価値観が少し変わるかもしれない本ですね。
コメント