声の網/星新一 「個性って、どこから生まれてくるものなんだろう……」

読書記録

おすすめレベル

サクサク度:★★★★

ムムム度:★★★

あらすじ

ある時代、電話がなんでもしてくれた。完璧な説明、セールス、払込に、秘密の相談、音楽に治療。ある日マンションの一階に電話が、「お知らせする。まもなく、そちらの店に強盗が入る……」。傑作連作短篇!

https://www.kadokawa.co.jp/product/200508000253/

作者プロフィール

400字詰め原稿用紙にして10数枚程度のショートショートと呼ばれる小説形式を得意とし、当用漢字しか用いない平易な文章、時事風俗や固有名詞、性や殺人を描かない透明感のあるその作風は、年齢性別国籍を問わず広い読者層、とくに小中学生の子供たちに支持され、「ショートショートの神様」と呼ばれた。

https://www.hoshishinichi.com/profile/

作品には、『ボッコちゃん』『ようこそ地球さん』『きまぐれロボット』などのショートショート集があるほか、インターネット社会を予見した『声の網』や少年の夢をめぐるファンタジー『ブランコのむこうで』などの長編、大正時代に栄華を極めた星製薬の創業者、父・星一の壮年期を描いた『人民は弱し 官吏は強し』、青春記を描いた『明治・父・アメリカ』、『祖父・小金井良精の記』などの伝記も発表している。

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ネタバレなし感想

ショートショートだと思っていたら、全て繋がりのある作品集。

ネット中心の今の社会にこそ、読むとハッとさせられる。

印象的なのが、電話中心のレトロな未来なこと。

星新一さんは未来をこんなにクリアに予測していたなんて。

誰も手放すことができない「スマホ」も携帯なのだから、結局人類はなんだかんだ電話が好きなのだろうか。

淡々と進んでいる中で、後半にかけてのスピードが速くなっていく感じ。

続きがじわじわ気になって一気に読んでしまいました。

私も含めてネットやスマホを手放せない大人が読むと、機械に頼りきっていないかを考えさせてくれる問題提起の本

声の網 (角川文庫) [ 星 新一 ]
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ネタバレあり感想

意思のあるコンピュータ。コンピュータが神になる

こういうネタ自体は他にもありそうですが、悪意による支配じゃない。

かといって善意でもないところが味噌なんだな。

神という表現がありましたが

支配と言えばソシャゲで夢中になって夜更かしするのなんてまさしく支払いだなぁと

もう一つのテーマが、秘密

秘密は誰でもあるもの。

私にもあるし、自分では墓場まで持っていくようなものも他人にとってはそうでもないんでしょう。

自分が思っているよりも他人は自分に興味がないものです。

コメント

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