米澤穂信先生は私の読書生活で常に読んでいる作家さんです。
1番読んだのは10代の頃。
私が本を読まない期間があった間に直木賞受賞など数々の作品で受賞歴を取られていますね。
米澤先生の頭の中が垣間見えました。
作品紹介
米澤穂信先生がデビューから書いてきた本にまつわる文章たちが凝縮された本です。
ただの本紹介にとどまらず、エッセイ、対談などさまざまなコンテンツです。
コメンタリーが下についていて作品への補足やツッコミもあります。
どこまで行っても米澤先生尽しの贅沢な本。
電子版について見ていないのでわかりませんが、コメンタリーの字が小さいのではないかと思うので、ぜひ紙で読んでほしいです。
文章が好き
緻密な文章だなといつも思っています。
コメンタリーのツッコミはTwitterのつぶやきのようなラフさで緩急が効いていて二度美味しい。
好きな文章を一文引用します。
本をどう選ぶかは完全に自由なのだ。だがその自由さは、ほかのあらゆる自由と同じく、努力しなければ保つことが出来ない。はずれを引くことが怖くて話題作ばかり読むことも、天邪鬼な気持ちで話題作は決して読まないことも、どちらも自由とはいえない。これは面白そうだと本を手に取りかけてスマートフォンで評判を検索し、誰かが星一つをつけているからと本を棚に戻すのは、感受性を他人に売り渡すようなものだ。
本文69ページより
やってしまっていました。
これを見て自分の読みたいものを自分の価値観で選ぶと決めました。
本に対する熱量
それぞれ媒体で公開された原稿のためか密度が詰まってます。
米澤先生は海外作品も読むし、国内も読まれる方。
ほとんど海外作品は読まないので新鮮でした。
コメンタリーもあるからか、圧倒的なボリュームで読むのに時間がかかりました。
他の本も読みながらだったので3ヶ月くらいかかってます。
んー食べ物なら、鰻重みたい。
綺麗な文章とお腹いっぱいになる感じが、鰻が輝きぎっしりご飯が詰まっているのに似ています。
実際に読んでみた
北村薫さんの「六の宮の姫君」を何度か取り上げられていますが、こちらはシリーズものなので一作目から読んでいます。
好きな作家さんのルーツを辿れるのは楽しいし、作品も面白くて二度美味しいです。
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