作品紹介
米澤穂信先生の小市民シリーズの第1作。
日常系ミステリー。
主人公は高校1年生の小鳩くんと小佐内さん。
とある過去がある2人は、小市民を目指すために協力し合っています。
にもかかわらず、2人には小さな謎が降ってきます。
連作5編を収録しています。
読むのは 10年ぶりくらい?
唸れ海馬。繋がれニューロン。
本文より
私の大好きな文章です。ここの部分だけはなんだかインパクトに残っていました。
どこまで読んだか忘れてしまいましたが、追っていたシリーズの1つです。
刊行してそこまで経っていないタイミングで読んだと思うので、読むのは 10年ぶりくらいかもしれません。
当時、小鳩くんと小佐内さんに感情移入していた気がします。
この2人のように誓いを立てるほど大きい秘密や自分を隠すというのはなかったけど、なんとなく自分のコントロールができないころでした。
学校の組織の中で自分をある程度隠しながら生きている、それが顕著だった気もしますね。
厨二病だったので真似したら、没個性で何もできない私なのでした。懐かしい。
大人になって
仮に10年ぶりと想定して、感じる世界は変わりますね。
序盤の小佐内さんが「あざとい女子」に感じてしまったのが発見。
悪い話ではなくて、見るポイントもまた変わったのだという話です。
再読をしてみて最初の小佐内さんははあざとい系とすっかり騙されたけど、最後の「狐狼の心」の彼女は面白い。
淡々とした雰囲気は崩さずとも盛り上がっていく感じすごいですね。
ちなみに狐狼とは、
コトバンクより
意味がすごい。誰のことを指しているんでしょうね
小鳩くんは自分を守るために小市民を目指してますが、なかなかストレス溜まりそうな選択をしたなと。
自分を抑えることでの毎日のストレスと、自分を抑えないけれども一時的にかかる周囲からの視線のストレスなら前者の方がマシというわけで。
それは悲しいけれども実際にある話ですからね。「能ある鷹は爪を隠す」というわけなんでしょう。
大人になって「能ある鷹は~」状態だと自分の望むことやれないことも多い気がするので、なんとなく推奨しにくいとか思ってしまいますね。
大人の戯言ですが、あー勿体無い。
可愛い表紙、甘いタイトルとの対比
この作品を見ると、探偵役(小鳩くん)が解決するだけのストーリーではなくて、探偵役をすることに対しての葛藤も描いている点が好き。
甘いものと対比されるような作品に漂うビターさ。
この作品をを読むまでは、葛藤についてあんまり考えたことがなかったんですよね。
(なぜか私は今「名探偵コナン」のコナン(新一)がどういう気持ちなのかを考えています)
氷菓も読んでいてもちろん大好きですが、折木くんはまた違う。
単独で読んだだけなので明確に読み比べたわけではない古典部シリーズの折木くんはもっと逃げ腰なイメージがあるような。
ファンの方に怒られそうなのでもう一度ちゃんと読みます
何とはともあれ、積読している場合ではない。早く続きを
続刊ばっちり積んであります。
今、紙の本を優先的に読んでおりまして、この本は電子なので時間かかりそうですが必ず読み切りたい。
2人を縛るものは何か(明かされているのか知りませんが)を見届けたいと思います。
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